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根木 健之; 梅田 浩司; 浅森 浩一
社団法人物理探査学会第118回(平成20年度春季)学術講演会論文集, p.198 - 201, 2008/05
地磁気地電流法(以下、MT法)は、地下数十mから数十km程度の地下深部までの電気伝導度を調査する手法であり、従来から地熱資源開発,金属資源探査,石油探査,地震・火山防災等の分野で用いられており、その有効性が広く認められている。しかしながら、MT法は自然電磁波を信号源としているため、社会活動に伴う電気的ノイズの多い地域において、安定して高品質なデータを取得することが難しい。このため、現状として、このような地域では、データに含まれるノイズに起因して、何らかの不確実性を伴った比抵抗構造解析を行うこととなる。本稿では、MT法2次元インバージョン解析における入力データのノイズが、解析結果に与える影響について検討するとともに、比抵抗構造の不確実性を評価する基準について検討した。その結果、MT法における2次元インバージョン解析結果が最も影響を受けやすいデータのノイズは、見掛比抵抗及び位相差曲線の歪みであることがわかった。また、比抵抗構造の不確実性を評価する基準については、解の収束性と、解の一意性をもとに、解析結果の不確実性指標を提案するとともに、モデル計算及び実データによる本指標の適用性の検討を行い、本指標が、2次元解析断面の不確実性を評価する指標の一つと成り得るものであることを示した。